前回はInfinioの高速化がどの程度の性能か、単純にベンチマーソフト(CrystalDiskMark)を用いてパフォーマンスを測定しましたが、今回は実際に仮想マシンの処理を想定した検証を行いました。
今回使用した仮想マシンですが、ランダムにバージョンを変更し、Linuxカーネルのコンパイルを行い続ける仮想マシンとなっています。
この仮想マシンを10MBpsのネットワークで接続されたNAS上に配置し、Infinioの高速化を有効にした場合と無効にした場合で仮想ディスクのパフォーマンスをvSphere Clientから測定しました。
また、参考用としてローカルのデータストアに、この仮想マシンを配置した場合の測定も行っています。
まず、転送速度のパフォーマンスについてです。
読み取り速度は高速化なしの場合、10MBpsの制限により大きく読み取り速度が低下したいますが、Infinioによる高速化で安定して11MBps前後の読み取り速度で処理を実施していることがわかります。
また、ローカルのデータストア上に配置した場合と比べても、多少読み取りが速くなっていることがわかります。
読み取り速度
今回の仮想マシンでは書き込み自体が少ないため、大きな差は出ていませんが、書き込みについても速度低下が緩和されていることがわかります。
書き込み速度
次に待ち時間についてです。ディスクの待ち時間はアプリケーションのレスポンスに直結してくる部分ですのでなるべく少なくしたい部分です。
高速化なしの場合には、直接NASに対して読み書きすることになりますので、待ち時間がとても長くなっていますが、高速化を行うことで、NASとのI/Oの間にInfinioが入り、待ち時間を大きく削減できています。
読み取り待ち時間
このように仮想マシンのI/Oパフォーマンスを大きく改善できていることがわかります。また、今回のように細い帯域でも十分な速度が出ていることから、複数のVMからのI/Oがあり、個々のVMで使用できる帯域が制限されるような場合でも、有効であると考えられます。
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