ZertoにはZVM(管理マシン)上のWeb GUIとは別に、開発元のポータルサイトからレプリケーションの状況を監視、レポーティングするためのZerto Analyticsという機能があります。ZVMインストール時やZVMのWeb GUIメニューのAboutで下記のようにZerto SaaSアプリケーションを有効化することで利用できます。

※開発元のSaaSにアクセスする必要があるため、ZVMからインターネットを介して「https://zerto-mobile-data.zerto.com」にアクセスできる必要が有ります。

Zerto Analytics以下のように様々なダッシュボードでレプリケーションの状況等を確認することができます。

その中でも、Zerto Analytics Resource Planner(リソースプランナー)機能は導入後ではなく、導入前のサイジングで特に便利な機能であり、是非ご活用いただきたいものですので、今回はご紹介させていただきます。

通常、レプリケーションに必要な帯域幅は下記でご紹介しているようにVMからのI/Oに関するパフォーマンス統計情報を収集し、それを基に算出する必要が有ります。ただ、vSphereの一部設定を変更する必要がある場合や、VMごとに値を収集するなど、実際に行おうとすると手間が多くなっています。

これをリソースプランナーで簡単化できます。レプリケーションのソースとなるサイトにZVMをデプロイすると利用できますので、ZertoをPoC等で評価いただく際に実際には、レプリケーションを実施しないとしても、本番環境のvCenter等をZertoインストール時に登録し、このリソースプランナーで必要になるであろうWAN帯域幅を確認するといったことが可能です。

Zerto Analyticsにアクセスして、メニューからPlanningに移動、VM Selectionからレプリケーション対象のVM、レプリケーション先として想定しているプラットフォームを選択します。

対象VMにチェックを入れ、右に移動させると選択できます。

SAVEで保存すると、そのVMのパフォーマンス統計を基に、必要な帯域幅が算出されます。

次に各項目に関してです。上部の項目ではソースサイトの名前、選択したVM数、ターゲットサイトのプラットフォーム、平均のジャーナル履歴時間、計算時に使用した圧縮率、算出に使用した期間が表示されています。

期間は▼のアイコンから変更できます。また、一番右のダウンロードアイコンで算出されたVM単位での情報をCSVまたはExcelでダウンロードできます。

その下には選択したVM、全てをレプリケーションするために必要となる帯域幅(MB/sとMbps)、ジャーナル履歴として保持されるサイズ、復旧ディスクで必要となるサイズが表示されいます。

その次のグラフの全体での情報となっており、VMから発生したI/Oのスループットと、IOPSの時間平均の合計を確認できます。マウスオーバーでその時点での値を確認することも可能です。

一番したの項目は選択したVMの一覧です。VM名、サイト、配置されているホスト、割り当てコア数、RAM、使用済み容量/プロビジョニング済み容量、平均IOPS、平均スループット、ジャーナル履歴期間、必要となるジャーナルサイズを確認できます。ジャーナル履歴期間に関してはここでVM個別に変更することも可能です。Journal History項目の歯車アイコンから一括で変更もできます。

このように、必要となるWAN帯域幅の推定だけでなく、ターゲットサイトで確保すべき容量も確認でき、DRサイトの構成時に役立つ情報を参照できます。

動作としてはサイトにデプロイしたZVMがレプリケーションやそのサイトでのVM I/Oの統計情報などを収集、HTTPS経由でZertoのSaaSに転送します。そして、ユーザは開発元ポータルサイトの認証情報を用いてZerto Analyticsにログインできます。

このように、サイジングで最も手間となる情報の収集から算出までを自動で行える便利な機能ですので、ぜひご活用ください。