Veeam Backup & RepicationではバックアップジョブでのVM指定時にvSphereタグを利用できます。v10までは指定したタグに含まれるVMをバックアップするという指定方法のみで、この方法ですとバックアップポリシーや使用するリポジトリ、プロキシ構成などが複数パターンあり、複数のジョブが場合、その分、タグを用意しなければならず手間がありました。

これがv11ではタグの組み合わせが一致するVMのみをバックアップするような設定が可能になります。これにより、ポリシーや構成ごとにタグを設定すれば、その組み合わせに一致するバックアップジョブがそのVMを処理するように構成できます。

例えば、以下のようにデータセンターA内でのバックアップ、B内でのバックアップ、AからBへのレプリケーション、BからAへのレプリケーション、スケジュールといったように複数種類のジョブを用意してあるとします。

ジョブ 種類 スケジュール インフラ
JOB A バックアップ 日次 DC A
JOB B バックアップ 6時間毎 DC A
JOB C バックアップ 日次 DC B
JOB D バックアップ 6時間毎 DC B
JOB E レプリケーション 日次 DC A > DC B
JOB F レプリケーション 6時間毎 DC A > DC B
JOB G レプリケーション 日次 DC B > DC A
JOB H レプリケーション 6時間毎 DC B > DC A

この場合、v10ではJOB AからHのタグを全て用意する必要が有ります。これでは手間があり、さらにはどれを割り当てれば良いのか分かりづらく、設定ミス等が発生しやすくなってしまいます。

V11であればジョブの構成要素ごとにカテゴリを分け、以下のようなタグを作成、それを組み合わせて指定すると、自動的にそのジョブが処理するように構成できます。

カテゴリ Backup Replication Location
タグ Daily
Every 6 hours
Daily
Every 6 hours
DCA
DCB

例えば、BackupカテゴリのDailyタグとLocationカテゴリのDC Aを指定したVMに関してはJOB Aで、ReplicationカテゴリのEvery 6 hoursタグとLocationカテゴリのDC Bを指定したVMに関しては、JOB Hで処理するといったように構成できます。

このような、分かりやすい形でタグを指定しバックアップ等の保護を行えるように構成すれば、バックアップ管理者のみでなく、VMオーナーや運用管理者が自身でvSphere ClientからVMにタグを設定し、バックアップジョブに追加、保護を構成できるようになり、運用負担を大幅に削減できます。

それでは実際の設定方法もご紹介していきます。

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