パーソナルコンピューターの普及に欠かせなかったOperating System( OS )と
ともに一代帝国を築き、創始者のビル・ゲイツを長者番付世界一に長きに渡って
君臨させていたマイクロソフトがついに、売り上げの生命線であったOSの
無償版をを発表した。 ただし、スクリーンサイズが9インチ以下のデバイス
で使用することを条件にしており、Windows for Internet of thingsと呼ばれる。
パソコンの世界での出荷台数が頭打ちになり、インターネットの”窓”になるのは
今後はモバイルデバイスであり、モバイル市場ではAndroid, iOSに大きく差を
つけられたマイクロソフトとしては当然の決断なのかもしれない。
オープンソースのAndroidは世界中の誰でもが無償で入手でき、モバイル機器だけ
でなく、各種エレクトロニクスデバイスのプラットフォームとして大きく普及。
モバイル市場でのシェアは 2013年Q3の統計をみるとAndroidが81.3%, iOSが13.4%
それに比べてマイクロソフトのWindowはわずかに4.1%しかない。
パソコン世界の王者が、今後に飛躍的な伸びが期待されるモバイル市場に
食い込むにはフリーでOSを配る以外には選択肢がなかったことは誰の目にも
明白だ。 それではマイクロソフトのモバイルでのビジネスモデルは何なのだろう?
それはモバイルOSで最大シェアのGoogleと同じビジネスモデルということに
なるだろう。 OSを通じて数々のクラウドサービスを提供しているGoogle、
代表的なクラウドサービスGoogle Driveは米国ではAmazon Cloud Drive,
IBM SoftLayer, Dropboxにならび多くのユーザーを獲得している。
マイクロソフトもGoogleに負けない魅力的なネットサービスが数々ある。
それらはOffice 365, Azure, OneDrive, Skype, などである。
モバイルマーケットでOSさえ普及すれば、OSの上でこれらのサービス
が大きく展開できる可能性はまだまだある。
とはいえAndroidとiOSを合わせると市場の94.7%となる巨大なコンペティターが
いるマーケットにどうやってマイクロソフトは自身のシェアを4%から広げていくのだろうか?
急成長とともに市場のリーダーだった巨人にはMS-DOSの創世記にビル・ゲイツ
とその仲間達がどのようにかつてのマーケットリーダーIBMに対抗していったのか
思い出すことが必要なのかも知れない。