アップル共同創設者、クラウドに警鐘

アップル・コンピュータの創設者のひとりであるスティーブ・ウォズニアック氏が、クラウド・コンピューティングに対する慎重論を展開している。彼が危惧しているのは、クラウドに移されたデータは誰の所有するところとなるのか、という点である。「クラウドの利用者は、実際には何も所有していない」と述べ、クラウドを利用するということは管理権を放棄するに等しい、と指摘している。

クラウドに預けられた情報は、物理的には、どこかのハードディスクに保存されているはずである。それがどの場所で、どのような設備において保存されているのか、利用者は把握しているだろうか。よその国にあってもおかしくはない。
仮にその地域に大災害があったらどうなるだろう。クラウドに保存されている情報は定期的にバックアップが取られ、別の地域で保存されているのだろうか。

ウォズニアック氏の意見は正鵠を射ている。クラウドに保存された情報には誰がアクセスできるのか、バックアップはどのようにとられているのか、災害復旧計画はどのようになっているのか、今一度、セキュリティの信頼性を検討してみるべきである。

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(Online Bits & Bytes コラム Apple Co-Founder’s Warning on Cloud Computing より)

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