VMware環境の設計に欠かせないリファレンス アーキテクチャ


Reference Architectureとは?

リファレンス アーキテクチャ(reference architecture)とは、ごく簡単に言えば、IT環境のシステム構成を文書化したもので、諸々のハードウェア、ソフトウェアなど、何をどう組み合わせて、どう設定したのか、経験則にもとづく最善策を担当者が記録し、社内でその知識を共有するための文書です。言うなれば、システム構成・インフラ設定のベストプラクティス(best practice)です。

リファレンス アーキテクチャという用語は耳慣れなくても、同様のものは、詳しさに程度の差こそあれ、どこのITチームにも必ずあるのではないでしょうか。

しかし、その詳しさの程度はけっこう重要で、例えばVMwareの環境を構築するとき、インストール ガイドやサポート資料に傾倒し過ぎて、自社環境(あるいはサポートする顧客環境)の要件に合致していないければ意味がありません。要件とは、パフォーマンスやセキュリティはもちろん、予算も含めて、です。

そこで、重要な役割を成すのが、特定環境にカスタマイズされたリファレンス アーキテクチャです。

CPUのコア数と速度

たとえば、VMware環境の設計では、CPUの選択も重要です。ベンダーの好みよりも、ワークロードの要件を最優先に考えてCPUを選択すべきです。ワークロードやVMがトランザクション ベースなら、CPUソケットごとに多数のコアがあったほうが効率がよく、その一方、データベースのような集中型のワークロードなら、少ないコア数でより高速処理が可能なCPUが望ましいでしょう。トランザクションも、集中型のワークロードも両方対応すべきなら、コア数とコアスピードのバランスが重要になり、なおさら要件の見極めが不可欠になります。

ホスト ストレージの効率化

SANやNASを使用するときは、ローカルのストレージを軽視しがちです。実際には、ホストに使用するローカル ストレージは、環境全体のパフォーマンスを左右します。ローカル ストレージを用いる利点は、処理速度に加え、セキュリティ管理がしやすさも見逃せません。

RAID構成をともなうHDDやSSDなら、低いレイテンシで比較的高速のストレージで、あらゆるワークロードに柔軟に対応できますが、SAS接続のSSDがキャッシングに使われると速度が制限されます。

そこで、NVMeストレージでvSANを設定することもできますが、NVMeカードが故障すると(それが唯一のVMストレージの場合)データを失うので注意が必要です。

このように、求められるワークロードの処理要件も十分考慮し、決して見切り発車せずに、綿密なプランにもとづいてVMware環境を設定することが大切です。設計がしっかりしていれば、後々の業務拡大に柔軟に対応でき、拡張も容易になります。備えあれば憂いなし。リファレンス アーキテクチャあれば、サビ残なし(は飛躍しすぎかな)

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