国内企業のコンテナ普及率が二桁の大台に


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Kubernetesがコンテナ環境のデファクトスタンダードに

コンテナの実用化がどれだけ進んでいるのか、具体的な数字を見たいと思い、IDC Japanの「2020年 国内コンテナ/Kubernetesに関するユーザー導入調査結果」を参照してみました。コンテナの普及は、昨年までは非常に緩やかなものでしたが、今年2月に458社を対象に行われた調査では、コンテナを本番環境で使用している企業が初めて二桁の大台に乗り、導入に前向きな企業までを含めると全体の7割に達する勢いで急上昇しています。

一方、「コンテナ?うちは物流会社じゃないよ」と答えたかどうかはわかりませんが、そもそもコンテナを知らないと回答した企業ははじめて一桁になり、しかも20.9%とから7.9%に激減しているので、コンテナの認知度は確実に高まっているようです。

そして、Kubernetesですが、コンテナを本番環境で使用している企業と導入構築/テスト/検証段階にある企業を対象にした調査では、54.7%がKubernetes(コミュニティ版)を使用し、24%がKubernetesを含むRed Hat OpenShiftを使用していると回答したそうです。ほぼ8割が何らかの形でKubernetesを使用しており、コンテナ オーケストレーション ツールはKubernetesの一人勝ち状態のようです。

ちなみに、世界に目を向けると、CNCF(Cloud Native Computing Foundation)が昨年1337社を対象に行った調査で、コンテナを本番環境で使用している企業はすでに84%だそうです。2016年に23%だったので、日本は大体4、5年遅れていると言えます。

ということは、ここから4、5年で日本も80%ぐらいまで激増するかもしれません。新技術の導入にはより慎重な日本企業が、ひとたび導入障壁を超えたら、一気に浸透する可能性は十分にあります。これをマーケティング用語で「キャズムを超える」と表現するらしいです。キャズム(chasm)とはもともと地割れのような溝のことを指します。底が深くて暗いので、向こう側に飛び移るには大変な勇気が要ります。でも、実際には飛び越えられない距離ではないので、ひと思いに飛び越えてしまえば、あとは自由に走り出せるイメージなのでしょう。

だから、あなたも勇気を出して思い切りジャンプしてみましょう!なんて無責任なことは言えませんが、市場動向として急増の兆しがあるのは事実です。まだ開発環境をコンテナ化していない企業は、一気に実用化を目指さなくても、調査/検討はしておくに越したことはないでしょう。

今からコンテナを導入するなら、同時にKubernetesの導入を検討すべきことは、調査結果からも理解できます。まずはコンテナ、そのあとKubernetesと段階を踏むと、インフラ設定が二度手間になったり、Kubernetesのためのやり直しが生じかねません。また、Kubernetes環境のデータ保護やセキュリティ管理のツール(たとえば、Kasten K10)の導入も同時進行で検討すべきです。その辺りの背景は「Kubernetesへの移行を成功させるには」で考察されているので、ご参照ください。

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