VMwareでスナップショットを失敗するケース(まとめ)


スナップショットはとても便利な機能であり、バックアップや一時的な検証など様々な利用のされ方をしています(スナップショットの仕組みについて)。しかし、ディスクの設定や構成によっては、スナップショット機能を利用できない場合があります。
今までもいくつかの記事でご紹介していますが、今回は失敗するケースについてまとめて、ご紹介いたします。

1. Vmware Fault Tolerance (FT)構成をとっている仮想マシン
参考:FT構成の仮想マシンのバックアップについて
FT構成の仮想マシンではリアルタイムで同期をとっている関係上、スナップショット機能を利用できません。そのため、バックアップ等を行う場合には一時的にFTを無効にする必要があります。
※vSphere 6.0 以降より、FTでもスナップショット機能を利用することが可能になりました。

2. サイズが上限(VMFS5: 2048GB)で作成されているディスク
参考:VMwareでのスナップショット作成時におけるディスクサイズの制限
スナップショットを作成する場合、ディスクサイズスナップショット用の領域といった形で領域を確保します。そのため、このスナップショット用の領域を加えた後のサイズが上限を超えてしまうようなディスクではスナップショットが利用できません。

そのため、スナップショットを利用する場合には下の表の右端のサイズ以下でディスクを作成する必要があります。
もし、既に作成済みのディスクでスナップショットを利用したい場合には、上限の大きいデータストアに仮想マシンを移動する方法やスナップショット作成先のデータストアを変更する方法があります。
参考:スナップショット・ファイルの保存場所変更方法

ブロックサイズ ディスクサイズ制限 スナップショットのオーバーヘッド スナップショットを利用可能なディスクサイズ
VMFS5の場合(ESXi5.x)
1MB 2TB – 512B ~16GB 2032GB
VMFS3の場合(ESX/ESXi 4.1とESXi5.x)
1MB 256GB – 512B ~2GB 254GB
2MB 512GB – 512B ~4GB 508GB
4MB 1024GB – 512B ~8GB 1016GB
8MB 2048GB – 512B ~16GB 2032GB

3. 物理モードのRaw device mapping(RDM)で接続されているディスク
物理モードRDMで接続されているディスクは仮想ディスクではないため、スナップショットを利用できません。また、同様の理由で、ゲストOSの機能によりマウントされているiSCSI等のドライブもスナップショットは利用できません。
また、仮想モードのRDMの場合にはスナップショット利用できますが、スナップショットを作成するデータストアが、2のディスクサイズ上限のケースに当てはまる場合にはスナップショット作成に失敗する場合もあります。

4. データストアの容量不足
スナップショットの作成、削除時にはディスクサイズに応じた空き容量がデータストアに必要です。そのため、空き容量が少ない場合にはスナップショット処理に失敗します。

5. 静止点作成に失敗した場合
スナップショット作成時にはVMwareのSync DriverもしくはMicrosoft VSSを利用してゲストOS上の静止点を作成します。この静止点作成に失敗するとスナップショットも失敗します。MicrosoftのVSSの利用には制限がいくつかあり、VSSが利用できないVMの場合はSync Driverが使用されますが、このSync Driver自体にもいくつか問題があり、スナップショットの作成に失敗することがあります。お気を付けください。
参考:VSSを利用した静止点作成時(スナップショット)の注意点
参考VMware KB:
Troubleshooting Volume Shadow Copy (VSS) quiesce related issues (1007696)
A virtual machine can freeze under load when you take quiesced snapshots or use custom quiescing scripts (5962168)
Cannot create a quiesced snapshot because the snapshot operation exceeded the time limit for holding off I/O in the frozen virtual machine (1018194)

スナップショットでの他の問題をご存じでしたらコメントください。

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