Veeam B&Rを実環境で試す前に、事前確認を簡単にVeeam ONEレポートで円滑な評価、POCを実現


Veeam Backup & Replicationはスナップショットを作成し、静止した仮想ディスクのデータを読み取り、バックアップデータとして保存します。そのため、スナップショット作成、削除による負荷やデータ読み取りによるデータストアへの負荷を考慮する必要があります。このような考慮を怠り、実際にバックアップを行ってみたら、ストレージのレイテンシが悪化、クリティカルなアプリケーションに障害が発生するなどの問題が発生しては、業務に影響を及ぼしてしまいます。

このようなことを避けるためには事前に仮想環境の状態を理解することが重要です。Veeamではバックアップ処理を柔軟に構成できますので、仮想環境の状態に合わせて、事前に設定を行うことで、ほとんどのトラブルは回避できます。この時に役立つのがVeeam ONEです。Veeam ONEはVMware/Hyper-V仮想環境、Veeam B&Rの監視やレポートを可能にするツールです。これを用いることで実際にバックアップを行った際に影響を受ける環境を事前に確認できます。また、Veeam ONEはVeeam B&Rの姉妹製品でありVeeam Availability Suiteなどではセットでパッケージとしても利用可能です。

今回はこのVeeam ONEに含まれるVeeam Backup & Replication評価前に事前に確認しておいたほうが良いおススメのレポートをご紹介いたします。

ストレージレイテンシ

データストアのレイテンシはそこに配置されている仮想マシン全てに影響を与えます。また、バックアップ時にはスナップショットのマージやデータの読み取りが影響し、レイテンシが増加することがあります。そのため、このストレージレイテンシを事前に確認し、どのストレージの負荷が高いのか、どの程度の負荷がストレージに発生しているのかを確認し、負荷が高い時間帯があればその時間帯を避けてバックアップを構成するといった対処やバックアップI/Oコントロール機能によりバックアップによる負荷を調整するといった対処が必要になります。

変更量の見積もり

仮想マシンに対してどれだけの変更が行われたかという情報は、バックアップサイズやバックアップ時間を見積もる上で重要な情報です。また、変更量の多い仮想マシンについては高速なデータ取得を行えるDirect Storageやバーチャルアプラインスといった転送モード、変更量の少ない仮想マシンに関しては、API処理におけるオーバーヘッドの少ないネットワークモードのプロキシを使用するといったプロキシ構成の最適化や、変更量の多いVMから処理を開始させ、バックアップウィンドウを最大限使用できるように構成するなど、より効率的なバックアップを実現できます。

VM構成の評価

Veeam Backup & Replicationでは、ゲストOSにアクセス(ネットワークまたはVIX経由)し、アプリケーションに合わせて整合性を保ち、VMwareスナップショットにより静止した状態のデータをハイパーバイザーから取得します。このような一連の処理がVMの構成上可能かどうかといった確認をVM一つずつに行うことはとても手間がかかります。そのような場合にはこのレポートを用いることでVMの構成を分析し、潜在的な問題が発生する可能性のあるVMを特定し、適切にバックアップが行えるか事前確認を行うことが可能です。

アクティブなスナップショット

VMのスナップショットは特定の状態を保存するためにしばしば使用されます。スナップショットの作成はとても簡単ですが、一時的に作成したスナップショットの削除を忘れてしまうようなことはよくあるかと思います。このようなスナップショットはストレージの容量を圧迫し、パフォーマンス低下などの要因となるため、事前に削除しておくことが推奨されます。このような場合にレポートを用いて、アクティブなスナップショットを持つVMを確認し対応することができます。

孤立したスナップショット

VMware環境での障害等により、稀にVMwareスナップショットマネージャーには表示されないが、データストア上にデルタファイルが残り、アクティブなまま孤立したスナップショットが残存してしまうことがあります。このようなスナップショットをVeeam ONEのレポートならば検出することができます。また、Veeam Backup & Replicationにはその仕様上、スナップショットを頻繁に使用するため、孤立したスナップショットを検出し自動的に削除する機能を持っていますが、この削除におけるマージ処理で評価を始めた際にデータストアへ負荷がかかる場合があります。このような負荷を避けるためにも、事前にレポートで孤立したスナップショットを検出し、削除しておくことをお勧めしています。

ユーザによるインフラストラクチャの変更追跡

Veeam Backup & Replicationの評価を行う際に、Veeamが仮想環境に対して行ったタスクを把握することは、そのアーキテクチャや動作を理解する上でとても有用です。そのため、個別のユーザを作成し、vCenterをVeeam Backup & Replicationに登録する際に使用することで、このレポートにより、どのような変更が仮想環境に行われたのか、一覧で確認できます。

インベントリ

このレポートでは仮想環境内の全てのオブジェクトに対する最新の設定情報を確認できます。評価の計画段階でこのレポートを確認しておくことで、仮想インフラ関連の問題に対して事前に対処することができます。

このほかにも様々なレポートが用意されており、例えば、Garbage Files Reportではデータストア上で無駄にスペースを占めているファイル(ISOファイルなど)を検出できます。次の画像はユーザがVeeam Oneを使用して、ストレージ・クラスターでほぼ4 TBのガベージ・ファイルを見つけた例です。これらのファイルは、ほぼ8TBのティア1ストレージ容量を消費していました。

Veeam ONEの詳細機能は弊社ユーザガイドなどをご参照いただくか、弊社までお問い合わせいただければご要望に合ったレポートをご紹介させていただきます。

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