複雑な復旧手順も数クリックで簡単に[Veeam Disaster Recovery Orchestrator]


Veeam Disaster Recovery Orchestrator (VDRO)はVeeam Backup & Replication(VBR) での復旧操作を自動化するためのすることのできるソリューションです。

VBR単体での復旧操作も簡単、シンプルに実施できるようなものとはなっておりますが、あくまでもVMやマシン単位での復旧です。複数のVMをまとめて復旧するといったこともできなくはないですが、VM Aがリストアされアプリケーションが利用できることを確認した上で、VM Bのリストアを実施するといった対応をするには、手動でVM Aを確認した上でVM Bのリストアを実施するなど、手間のかかる対応が必要です。

この手間をなくし、複数のVMからなる「システム全体の復旧を事前作成したプランで自動化」するソリューションがVDROです。

また、災害復旧対策では必須となる「定期的なテスト」と「文書化」にも対応しており、ネットワーク的に隔離されたラボ環境でプランをテスト実行するようにスケジュールでき、プランの定義、実行結果、ラボ環でのテスト結果、構成チェックなどをレポートとして出力も可能です。

対応している復旧操作

vSphere環境への復旧にのみ対応していましたが、Veeam Backup & Replication v12のリリースに併せてリリースされたVeeam Disaster Recovery Orchestrator v6ではMicrosoft Azure環境への復旧もサポートしました。

フェイルオーバー

vSphere環境でレプリケーションやCDPで作成されたレプリカVMへのフェイルオーバー(Failover)が可能です。また、フェイルオーバー中の変更をソースVMや別のVMとしてフェイルバック(Failback)することや、フェイルオーバーしたレプリカVMの確定(Permanent failover)、フェイルオーバー前の状態へロールバック(Undo Failover)も可能です。

リストア

バックアップからのリストア操作を自動化できます。Veeam Backup & Rplicationで保護されたvSphere VMとVeeam Agent for Microsoft Windows、Veeam Agent for Linuxで保護されたワークロードのバックアップに対応しており、バックアップジョブで作成されたバックアップ、バックアップコピージョブ転送されたバックアップどちらからもvSphereへリストア可能です。

リストアプロセスはインスタントリカバリを用いて実施され、バックアップから即座にVMを起動後、自動で本番ストレージにマイグレーションされます。

ストレージスナップショット

以下のストレージシステムに限られますが、vSphereデータストアとなっているストレージシステムのボリュームスナップショットをレプリケーションし、他のvSphere環境へ複製している場合、それへのフェイルオーバーもVDROでオーケストレーション可能です。

  • HPE 3PAR 3.3.1 MU5
  • HPE Primera 4.2, 4.3
  • HPE Alletra 9000
  • NetApp ONTAP 9.3, 9.4, 9.5, 9.6, 9.7, 9.8, 9.9, 9.10, 9.11
    ※NetApp APIを使用するLenovo DMストレージシステムもサポートされます。

Azureへのリストア

Microsoft Azure環境へのリストア操作を自動化できます。Veeam Backup & Rplicationで保護されたvSphere VMとVeeam Agent for Microsoft Windows、Veeam Agent for Linuxで保護されたワークロードのバックアップに対応しています。

また、オンプレミスのリポジトリ、オブジェクトストレージのリポジトリ、両方を使用可能です。

主な機能、できること

メインとなる機能は復旧に関連するステップをまとめてプランとして構成、実行できるというものですが、それだけでなく、隔離ラボでの自動テストや、レポート生成も可能です。

復旧ステップの構成

上記のような復旧操作を軸として、それに付随する様々な操作を自動化可能です。以下のようなWeb GUIから、VMの起動前後に実施するステップを追加できます。

このステップを使用することで、復旧実施前後に必要となるメール通知や環境の調整(VMの起動や停止、スクリプト実行など)、VM起動後に必要となるチェック項目や検証などを自動化できます。

より具体的にどのようなステップを実行できるのかといった点は下記でご紹介しています。

隔離ラボでのテストと自動定期テスト

作成した復旧プランはその実行可能性は自動でチェックされます。ただ、構成等が正しいかといったチェックのみですので、実際に動くかどうかはそれだけではわかりません。

それでは実際に復旧が必要になった場合に、動作することを保証できませんので、Veeamではネットワーク的に隔離されたラボ環境(DataLab)を用意し、そこにVMを復旧することで、本番環境に影響を及ぼすことなく、作成した復旧プランを実際に動作させ確認が可能です。

また復旧プランの各ステップではDataLabでのテスト時には実行しないような構成も可能であり、環境の違いから正常に実施することができないであろうステップははじめからテスト時のみ除外しておくといったことも可能です。

加えて、このDataLabでのテストはスケジュールで自動実行(1度のみ、日次、週次、月次)するように構成でき、災害対策のための定期テスト実施やVMの移行を自動実行するといったことが可能です。

レポート生成

以下のようなレポートをテンプレートを基に、PDFとWordで生成できます。

  • 作成した復旧プランの定義情報
  • 復旧プラン定義(設定)の変更追跡
  • 復旧プランの構成チェック
  • DataLabでのテスト結果
  • 復旧プランの実行結果

テンプレートは日本語のテンプレートもあり、Wordでカスタマイズもできますので、ロゴの差し替えや導入部分の説明文言などを変更可能です。ただ、すべてをカスタマイズすることはできず、部分的には英語のままとなりますのでご注意ください。

まとめ

このように実際の復旧や災害対策で必要となる多くの手順を自動化し、手間のかかる文書化もレポート生成で対応できるVeeam Disaster Recovery Orchestratorご興味ございましたら是非、弊社クライムまでお問い合わせください。

https://www.climb.co.jp/soft/veeam/contact/

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