Veeam Backup & Replicationのシステム要件は、データ保護するための構成によって考慮すべき内容が異なります。構成は大きく分けるとVeeamインストールサーバのみを利用する最小構成と、プロキシやリポジトリを使用する分散構成があります。
最小構成をとる際は、VeeamをインストールするWindowsマシンのみでハイパーバイザー上のVMのデータ保護を実施します。この場合は、Veeamインストールサーバ自身が実際のデータ取得を行い、ローカルやCIFSストレージにデータ書き込みを実施します。
メリット : VeeamをインストールするためのWindowsマシンのみでデータ保護が可能
デメリット : Veeamインストールサーバは後述のプロキシ、リポジトリの要件も含めて考慮する必要がある。データの取得経路が単一(Veeamサーバ経由)
分散構成をとる際は、Veeamインストール先でジョブの設定や、データ保護の命令を行う管理サーバ、重複排除、圧縮といった実際のデータ処理を行うプロキシサーバ、バックアップファイル保存先となるリポジトリサーバ、の3つのサーバに役割を分散させデータ保護を実施します。この場合は、Veeamインストールサーバは管理や命令に徹し、プロキシサーバが実データを取得、転送し、リポジトリサーバがデータ書き込みを実施します。
メリット : Veeamインストールサーバの負荷分散、プロキシに処理を委託することでVeeamサーバを介さず実データの取得が可能
デメリット : プロキシやリポジトリ用のサーバを用意する必要がある
もちろんプロキシやリポジトリを同一サーバで使用することや、逆に複数台用意することも可能です。要件に併せてどのような構成を組むかを決定します。エンタープライズな環境であれば柔軟に対応可能な分散構成を推奨します。その他Webブラウザから管理、監視することができるVeeam Enterprise Managerを使用する際は、Enterprise Manager (EM) サーバも構成します。また、リポジトリ(保存先)をCIFS接続のNASストレージとして構成する際は、バックアップデータを書き込むためのゲートウェイサーバがリポジトリサーバの役割となります。
各サーバのベースとなる要件をまとめたものが下記の表です。ただし、これはあくまでベースとなる要件なため、実際は同時稼働しているジョブ数、データ処理をするプロキシの並列タスク数によって、必要リソースが追加される点にご注意ください。追加リソースの要件に関しては弊社製品ページに記載しています。
Veeam要件 |
CPU |
メモリ |
ディスク |
物理マシン |
ビット |
ネットワーク |
Veeamバックアップサーバ |
2コア |
4GB |
2GB |
可 |
64bitのみ |
オンサイト 1Gbps LAN オフサイト 1Mbps WAN |
プロキシサーバ |
2コア |
2GB |
300MB |
可 |
32/64bit |
オンサイト 1Gbps LAN オフサイト 1Mbps WAN |
リポジトリ(ゲートウェイ)サーバ |
2コア |
4GB |
200MB |
可 |
32/64bit |
オンサイト 1Gbps LAN オフサイト 1Mbps WAN |
Enterprise Managerサーバ |
2コア |
4GB |
2GB |
可 |
64bitのみ |
1Gbit/sec |
構成例を元にした必要スペックの詳細はこちらをご参考ください。
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