Veeam Backup & Replication 9.5 update 4新機能一覧:S3への自動アーカイブやGDPR対応リストアなど


1月22日にリリースされた、Veeam Backup & Replication 9.5 update 4ではメジャーバージョンアップに匹敵する新機能追加が行われました。今回はこれらの新機能を一通りご紹介します。

ネイティブでのオブジェクトストレージ サポート:Veeam Cloud Tier

Veeam Cloud TierはAmazon S3、Azure Blob Storage、IBM Cloud Object Storage、および多数のS3互換なサービスプロバイダのオブジェクトストレージ、オンプレミスストレージソリューションとの統合を実現し、長期データ保持のための無制限の容量を持つスケールアウトバックアップリポジトリを提供します。

Veeam Cloud Tierは、スケールアウトバックアップリポジトリ(SOBR)内の新しいストレージ層(キャパシティ層)として実装されています。これは復旧操作が可能な期間をポリシーとして設定し、これを超えたバックアップファイルを自動的にキャパシティ層(オブジェクトストレージ)へと階層化するものです。また、SOBRのパフォーマンス層で空容量が少なくなると、即座に最も古いバックアップファイルをキャパシティ層へと階層化するオプションもあります。

パブリッククラウドのオブジェクトストレージを使用する場合、データはオプションでソース側暗号化(AES 256ビット)により保護することができます。


Veeamのオブジェクトストレージ統合独自の利点は次のとおりです:

  • 透過的:オブジェクトストレージにオフロードされたバックアップは、すべてのVeeam機能が透過的にアクセス可能なままであり、事前のステージングなしに、オブジェクトストレージ上にデータがある状態で、リストア操作を開始できます。
  • 容量効率:ソース側の圧縮に加えて、バックアップファイルは永久増分方式でオブジェクトストレージにオフロードされるため、複数のフルバックアップ間での重複を防ぐことができ、ソース側の重複排除が効果的に行われます。
  • 帯域幅効率:リストア中、オブジェクトストレージからすべてのブロックを取得するのではなく、オンプレミスのパフォーマンス層で使用可能なバックアップファイルから一致するデータブロックを読み取ります。これにより、オブジェクトストレージからの送信トラフィックを最小限に抑え、リストア時のコストが削減されます。
  • 独立性:オフロードバックアップは外部のカタログやメタデータに依存しないため、オンプレミスバックアップサーバーが、その構成やデータベースと共に完全に失われた場合でも、インポートできます。
  • 非ベンダーロックイン:アーカイブされたバックアップは、無料のVeeam Backup&Replication Community Editionへとインポートし、リストアを行うことも可能です。有料Veeamライセンスを必要とせず、将来的にも、いつでも復元可能です。
  • 追加コスト無し:セカンダリストレージアプライアンスのベンダーとは異なり、VeeamはデータをオブジェクトストレージにオフロードするためのTBごとのサブスクリプションを請求しません。

SOBRのCloud Tier機能にアクセスするには、Enterpriseエディションが必要です。

AWSおよびAzure Stackへのリストアオプション:Veeam Cloud Mobility

Veeam Cloud Mobilityは、Amazon AWS、Microsoft Azure、Azure Stackへ、あらゆるオンプレミスまたはクラウドベースのワークロードの移行と迅速なリカバリを容易にし、ハイブリッドクラウド環境全体でビジネスの継続性と可用性を維持します:

  • プライベートクラウド、ハイブリッドクラウド、パブリッククラウド間でワークロードを直接移行可能。
  • 迅速な事業継続のためにクラウドに直接ワークロードをリストアおよびリカバリ
  • パブリッククラウドでのテストと開発を簡単に


以前にリリースされたMicrosoft Azureダイレクトリストアに加え、Update 4はVeeam Cloud Mobilityを次の新機能で拡張します:

Amazon AWSダイレクトリストアは、Veeamバックアップからクラウドへのリストアを提供します。Amazon Government CloudやAmazon Chinaを含むAWS EC2 VMとしてWindowsおよびLinuxベースのVM、物理サーバおよびワークステーションのバックアップをリストアし、リソース割り当てを最適化、コストを最小化できます。この機能にはUEFIからBIOSへの変換機能が組み込まれているため、最新のWindowsワークステーションをAWS EC2(UEFIをサポートしていません)に直接リストアすることも可能です。

Microsoft Azure Stackダイレクトリストアは、既に提供しているMicrosoft Azureダイレクトリストアのエンジンを基盤としており、WindowsおよびLinuxベースのVM、物理サーバ、およびワークステーションのバックアップをMicrosoft Azure Stackのサービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)にVMとしてリストアできます。Veeam Agentと共に、この機能はMicrosoft Azure Stack IaaS VMのための完全なバックアップソリューションを提供します。

Veeam DataLabsによるセキュリティとコンプライアンスの向上

Veeam DataLabsは、ITおよび開発者が独立した環境でワークロードをテストし、更新の検証、パッチのテスト、セキュリティの脆弱性のチェック、コンプライアンスの確認、およびVeeamバックアップのリカバリ検証を可能にする強力な機能です。以前はVirtual Labと呼ばれていたVeeam DataLabsは、セキュリティの向上、コンプライアンス、ITワークフローの合理化のための機能を提Update 4の新機能として追加で提供します。

Staged Restoreを使用すると、組織の仮想マシンを本番環境にリストアする前に、データベースのコンテンツまたはアプリケーション/OSの設定に必要な変更を加えることができます。これは、バックアップファイルから直接DataLabで必要なリストアポイントを起動し、ゲストOSにカスタムスクリプトを配置、実行することで変更を保存しながら、最後に変更された状態を本番環境に移動してリストアを完了することによって実現されます。Staged Restoreを使用するケースは以下の通りです:

  • 忘れられる権利に関するGDPR(EUの一般データ保護規則)の遵守をしなければならない場合:古いバックアップからの個人データを含むVMの復元を実行するときに、本番システムから個人データをクリーンアップするために作成したものと同様のアプリケーションまたはスクリプトを使用できるようにします。
  • 管理者が必要なOS設定の変更(IPアドレス、DNS、ファイアウォール設定など)、アプリケーションのインストールまたは削除、復元されたVMを実際に配置する前にターゲット環境に準拠させるために必要なその他の操作をそこで実行できるようにする場合。


Staged Restore機能を使用するには、Enterpriseエディションが必要です。

Secure Restoreを使用すると、組織は本番環境へのリストアを実行する前に、コンピューターレベルのウィルスやランサムウェアなどのマルウェアについて、イメージレベルのバックアップ内でゲストファイルシステムを簡単にスキャンできます。これは、バックアップリポジトリに関連付けられているマウントサーバーにディスクをマウントし、マウントサーバーにインストールされているサポート対象のウィルス対策プログラムのいずれかを使用してウィルス対策スキャンを起動することによって実現されます。Secure Restoreを使用するケースは以下の通りです:

  • 選択したリストアポイントで「潜伏している」ランサムウェアを検出して、リストアしたVMに含まれるランサムウェアを本番環境に何度も配置しないようにすることで、ランサムウェア攻撃からの回復時間を短縮。
  • リモートオフィスおよびブランチオフィスのディザスタリカバリ(DR)シナリオでバックアップをHQデータセンターにリストアする前に、IT管理者の少ないリモートオフィスおよびブランチオフィスのバックアップを検証。
  • 実際のVMにインストールされているものとは異なるウィルス対策プログラムを使用してリストアポイントをスキャンすることで、稀なマルウェアやゼロデイマルウェアを検出する可能性を高めます。


Secure Restoreは、Microsoft Windows Defender、Symantec Protection Engine、およびESET NOD32をそのまま使用でき、設定ファイルを介して基本的なコマンドラインインターフェースを提供するすべてのウィルス対策プログラムに拡張できます。

エンタープライズアプリケーションプラグイン

データベース管理者(DBA)は、新しいエンタープライズアプリケーションプラグインを使用してすべてのバックアップをVeeamバックアップリポジトリへと集中管理しながら、ネイティブツールを使用してデータベースのバックアップとリストアを既存運用と変わらず管理できます。

  • SAP HANA用のVeeamプラグインは、HCI SAP HANA展開のサポートを含めて、HANA DBAがBACKINTインターフェースを使用してHANAデータベースのVeeamバックアップリポジトリへのバックアップとリストアを実行できるSAP認定ソリューションです。
  • Oracle RMAN用のVeeamプラグインを使用すると、Oracle DBAはRMANマネージャを使用して、OracleデータベースのVeeamバックアップリポジトリへのバックアップおよびリストアを実行できます。このRMANベースの統合は、イメージレベルに組み込まれている既存のOCIベースの統合を置き換えることなく、Oracleの可用性と拡張プラットフォームを実現するための追加の方法を顧客に提供します。

エンタープライズアプリケーションにVeeamプラグインを利用することの追加の利点は、スケールアウトバックアップリポジトリ(SOBR)のサポートです。これは、SOBRが提供するスケーラブルなマルチノードバックエンドのおかげで、バックアップとリストアのスループットを劇的に向上させます。


エンタープライズアプリケーションプラグインを使用するには、Enterprise Plusエディションが必要です。

強化されたセルフサービス機能

すでにvCloud Directorとの連携として実装されているセルフサービス機能を利用し、vSphere権限システムに関連付けられたロールベースのアクセスを使用して、ユーザーがVMware vSphereのセルフサービスバックアップおよびリストアポータルを通じて自分のVMのバックアップおよびリストアを安全に管理できるようにすることで、復旧時間を短縮し、TCOを削減します。つまりインフラストラクチャの変更や新入社員がIT部門に委任規則の更新を要求することはないということです

追加構築で便利な委任モードでは、特定のvSphereロールまたはvSphere権限で委任できます。これにより、対応するロールまたは権限を持つユーザーは自身のVMのバックアップとリストアのみを表示および管理できます。

新規構築では、vSphereタグの利便性を活用することを選択できます。ユーザーはそれぞれのセルフサービス構成で指定されたタグを持つVMにのみアクセスできます。


セルフサービスポータルは既存のEnterprise Managerユーザーインターフェースに基づいていますが、特定のユースケースに合わせてカスタマイズ可能です。ジョブ設定は簡単化されておりユーザーはバックアップするVMを選択し、ゲスト認証情報、保存期間、通知などの重要なパラメーターを選択するだけで済みます。リポジトリテンプレートやバックアップモードの選択など、ジョブテンプレートを介してポータル管理者が管理する詳細設定にユーザーはアクセスできないように設定可能です。また、リストアに関しては、Enterprise Managerが現在提供しているVMに対して、アプリケーションアイテム、ゲストファイル、フルVMなど、さまざまなリストアオプションを実行できます。

セルフサービスのバックアップとリストアポータルを利用するには、Enterprise Plusエディションが必要です。

Intelligent Diagnostics

既知の問題と構成の問題を予防的に解決することで、総所有コスト(TCO)を削減しながら、バックアップの信頼性と成功率を向上させます。

Veeam ONEの新機能であるIntelligent DiagnosticsはVeeam Backup&Replicationログを監視し、これらを仮想インフラストラクチャ監視データと照合することで、既知の問題のパターンを検出します。

バックアップインフラストラクチャが最適に構成されていない、バックアップに影響を与える可能性のある問題、または重要なホットフィックスのインストールが不足しているなどの問題がバックアップに重大な影響を及ぼす前に、ユーザーに通知されます。


ログマイニングは、他のソリューションとは異なりVeeamのサポートと製品管理部によって準備された問題定義バンドルを使用してオンプレミスで実行されるため、開発元との通信がなくとも動作します。言い換えれば、この機能はVeeamのサポートログマイニングおよび分析エンジンの力を手にすることになります。そのため、サポートケースをたびたび開き確認する必要がなくなります。

Intelligent Diagnosticsの詳細については、Veeam ONE 9.5 Update 4リリースのドキュメントを参照してください。Intelligent Diagnostics機能にアクセスするには、Veeam EssentialsまたはVeeam Availability Suiteが必要です。

プラットフォームサポート

Update 4は、リリース済みの以下のプラットフォームアップデートを完全にサポートしています:

  • Microsoft Windows Server 2019:Veeam Backup&Replicationによって保護される仮想マシンのゲストOS、Veeam Backup&Replicationとそのすべてのリモートコンポーネントのインストール、およびVeeam Agent for Microsoft Windowsによるバックアップをサポートします。
  • Microsoft Windows 10 October 2018 Update:Veeam Backup&Replicationによって保護される仮想マシンのゲストOS、Veeam Backup&Replicationとそのすべてのリモートコンポーネントのインストール、およびVeeam Agent for Microsoft Windowsによるバックアップをサポートします。
  • Microsoft Windows Server Hyper-V 2019:仮想ハードウェアバージョン9.0の仮想マシンのサポートを含む、ハイパーバイザーホストとしてサポート。
  • Microsoft Active Directory 2019, Exchange 2019 and SharePoint 2019:アプリケーション対応処理、およびVeeam Explorerによるアイテムレベルの回復のサポート。
  • Oracle Database 18c:トランザクションログのバックアップやポイントインタイムリストアなど、Windowsベースの仮想マシンでのアプリケーション対応処理のサポート。
  • VMware vSphere 6.7 U1:ESXi、vCenter Server、およびvCenter Server Appliance(VCSA)のサポート。
  • VMware vCloud Director 9.5:サポート。

上記の主な機能に加えて、継続的な研究開発努力の結果として、そして顧客からのフィードバックに応えて、Update 4には他にも何百もの機能強化が含まれています

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