Veeamサーバを複数運用する場合の推奨設定


Veeam Backup & Replicationを運用する際に、各拠点にVeeamサーバを構成する場合があるかと思います。バックジョブの構成やコンポーネントの配置の仕方等、それぞれのVeeamサーバを意識しないとバックアップの遅延や失敗につながる可能性があります。

本ブログでは複数Veeamサーバを構成した場合の推奨される設定をご紹介いたします。

  • バックアップジョブの構成

各拠点のVeeamサーバで同じVMをバックアップ対象にする場合は、それぞれのジョブの実行タイミングが被らないようにする必要があります。
一つのVeeamサーバで同じVMに対し複数ジョブが同時に実行されると順番に処理されます。一つのジョブの処理が完了するごとに次のジョブが実行されます。

しかし、別のVeeamサーバで実行されているジョブまでは考慮されないため、一つVMに対し複数のVeeamサーバからジョブが実行されると失敗や遅延の原因になる場合がございます。そのため、各Veeamサーバでスケジュールを調整し、実行タイミングが被らないようにする必要がございます。

ただ、Veeamの機能を活用することで複数のVeeamサーバでバックアップを取得しない運用が可能な場合もあります。例えば対象のVMのバックアップを拠点Aと拠点Bどちらにも持っておきたい場合には、それぞれのVeeamサーバでバックアップするのではなく、バックアップコピー機能を活用する方法もあります。バックアップコピー機能はソースとなるバックアップジョブを元に別の保存先へ2次バックアップを行います。

[関連記事まとめ]バックアップコピージョブ【Veeam Backup & Replication】

Veeam v12でバックアップコピーが強化!スケジュールでのジョブ実行などが可能に

  • コンポーネントの配置

複数のVeeamサーバを構成する場合は、Veeamサーバごとにプロキシサーバやリポジトリサーバのコンポーネントを配置することが推奨されています。

複数のVeeamサーバで同じコンポーネントを使用することはVeeamとしては非推奨な構成となっています。Veeamは、Veeamサーバとコンポーネントのバージョンが一致している必要がございます。そのため、複数のVeeamサーバで同じコンポーネントを登録していると、Veeamサーバごとにアップグレードするとバージョンの不一致が発生する場合があります。これによりバックアップの失敗やバックアップファイルの破損につながる可能性があります。

そのため、複数のVeeamサーバを構成する際にはそれぞれにプロキシサーバやリポジトリサーバ等のコンポーネントを配置することが推奨される構成となっています。

  • Veeamサーバの統合管理

Veeamサーバが増えればその分管理が必要なジョブやサーバが増えると管理が複雑になります。ライセンスについてもVeeamサーバごとに消費されるため、複数のVeeamサーバで同じVMをバックアップすると2重に消費されるような場合もあります。このような場合にはVeeam Backup Enterprise Managerというコンポーネントを活用することで複数のVeeamサーバをWebブラウザ経由で一元管理することが出来ます。

Enterprise Managerではジョブや各種リストアの統合、ユーザ単位のリストア権限の委任等々、様々なVeeamサーバの統合管理に便利な機能機能が活用出来ます。

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