Veeamはv13のリリースを2025年中に行うことを目標としています。v13では今までWindowsマシンにしかインストールできなかったVeeamバックアップサーバのLinuxアプライアンス版での提供を予定しており、大幅にアーキテクチャや仕様が変更されることが想定されます。
このベータ版を入手できましたので、弊社クライム内で試した結果を紹介していきます。
※リリース前の検証であり、本記事で紹介している手順や機能、仕様はリリースに伴い変更される可能性があることをご了承ください。

まずはそのインストール方法についてです。VeeamバックアップサーバのLinuxアプライアンス版はVeeamがカスタマイズしたJust Enough OS (JeOS)のRocky Linux 9.2に配置された状態で提供されます。Beta2では、ベアメタルでインストールするためのISOと仮想環境にデプロイするためのOVAの2通りでインストーラが提供されており、今回はOVAでvSphere VMとしてデプロイしてみました。

構成としては、8vCPU、RAM 16 GB、システム用の仮想ディスク240GBとデータ用の仮想ディスク240GBがマウントされています。

通常のOVAテンプレートと同様にデプロイ後、起動すると、下記のようにEULAが表示されるので確認して承諾します。


その後、ホスト名を指定、IPアドレスを設定、時刻を設定といったように一般的な流れで設定を行います。



そして、デフォルトの管理者veeamadminに関してパスワードを設定していきますが、veeamadminはMFAがデフォルトで有効であるため、追加でAuthenticatorアプリのセットアップも必要になります。



また、デフォルトの管理者とは別にセキュリティオフィサーという、機密アクション(パスワードのリセットなど)の承認に使用されるveeamsoというアカウントも構成します。バックアップやインフラの担当者ではなく、セキュリティチームのメンバーが担当することが一般的であるため、ここでは初期パスワードのみを構成し、MFAのセットアップなどは後ほど実施します。
※veeamsoの構成はスキップすることもできますが、運用環境ではゼロトラスト構成のため有効化することが強く推奨されています。

最後に設定内容を確認してFinishすれば構成が開始されます。



完了すると下記のように、コンソールへのアクセス情報が表示されますので、そこへアクセスして構成を進めていきます。

以下の3種類のコンソールが用意されています。
- Veeam Host Management Console:ポート10443でアクセスできる、アプライアンス自体を管理
- Veeam Backup & Replication Web UI:Veeam 機能を使用するためのWeb UI(一部設定不可)
- Veeam Backup & Replicationリモートコンソール:Windowsマシンにインストールして仕様できる従来と同等の機能を提供するコンソール
目次
Veeam Host Management Console
Veeam Host Management Console(10443ポート)にアクセスし、veeamadminでログインしてみます。


アプライアンスホストの構成であったり、ローカルのLinuxユーザの追加などが行えます。
※ここで追加したユーザに関して、Veeam Backup & Replicationにアクセスするためには別途VeeamのRoleをリモートコンソールから割り当てる必要があることにご注意ください。









Veeam Backup & Replication Web UI
下記のように簡易的ではありますが、Veeam機能の構成が行えます。ユーザへのVeeamロール割り当てなど一部機能や設定に関してはリモートコンソールから実施が必要です。




Veeam Backup & Replicationリモートコンソール
Windowsにインストールして利用できます。インストーラはWeb UIへログインする際の「Download Backup & Replication Console」リンクから入手可能です。

ウィザードに従ってインストールすれば利用できます。



多少デザインが変更されていますが、v12と同様な配置であり、従来のVeeamを使用したことがあれば、こちら方が簡単に利用できるかと思います。
ログイン※初回アクセス時は証明書の確認が行われます。



コンソール


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