仮想環境へのデプロイを円滑にするVeeam ONE v8のシミュレーション機能


仮想環境ではリソースが共有されることにより、新しいVMをどれだけ追加できるのか、クラスタからホストを削除した場合にリソースは足りるのかといった仮想環境へのデプロイで管理者様は悩まれることかと思います。
このような課題に対応するために具体的にデプロイのプロジェクトとして仮想環境へのVM、ホストの追加、削除を実施した際にどのようなリソースの変化が発生するかを予測しシミュレートするための機能がVeeam ONE v8から追加されました。

それがデプロイメントプロジェクトです。
このデプロイメントプロジェクトではホスト、VMを追加、削除するというシナリオを作成し、そのシナリオを実施した前後でのリソースの変化をシミュレートすることで潜在的なリソース不足を特定できます。

それでは実際に画面を見ていきたいと思います。
デプロイメントプロジェクトを作成するためには、通常のレポート作成を行うWorkspaceタブでall deployment projectsからAddをクリックします。
デプロイメントプロジェクト

ここで、プロジェクトについて以下の内容を決定します。
・コンテナ(プロジェクトにより影響をうけるホスト・クラスタ)
・データストア
・シナリオ(追加・削除するVM、ホスト)
・プロジェクトの完了日
シナリオでVM、ホストを指定する際に任意の値を指定するか既存のホスト、VMのスペックから指定できます。
今回はいくつかの仮想マシンを追加するプロジェクトを作成しました。
VM追加

それでは、このプロジェクトが実施可能かBuildをクリックしシミュレーションを実施します。
Failedになってしまいました。リソースが不足しているため、これだけのVM追加することは難しいようです。
ビルド

詳細を見るためView Reportから、このプロジェクトのレポートを表示してみます。Constrained Resourcesの項目に表示されているようにメモリが22GB程度足りていないようです。またレポートの最後にはアドバイスとして既存環境にあるPowerEdge T110 IIと同じ程度のスペックのホストを1台、追加すればプロジェクトを実施できるとあります。
失敗レポート

そのため、さらにホストを追加するプロジェクトをVM追加のプロジェクトより前に完了するよう作成します。このホストは既存環境から選択しています。
ホスト追加

これで再度Buildを実施します。プロジェクトが実施可能と判別されました。
再ビルド

念のため再度レポートを見てみます。プロジェクトは実施可能ですがWarningが出ているようです。Modeling results for Compute resourceを確認すると、CPUのリソース自体は足りそうだが、vCPUの割り当てがしきい値よりも高いという点と6か月後、将来的にメモリが足りなくなる可能性があるという予測がされていることによる警告のようです。
成功レポート

メモリについては弊社環境のVeeam ONEのデータを収集期間が短く、予測が極端になっていると考えられるため問題ありません。vCPUの割り当てについては、弊社の検証環境ですと大目に割り当てていることが多いため、しきい値をデフォルトから変更しておきます。
しきい値は以下のものを設定可能です。
・CPU最大負荷(%)
・コアあたりのvCPU数
・メモリーの最大負荷(%)
・ストレージの最大負荷(%)
しきい値

このように手間がかかりリソース不足に陥りやすい仮想環境へのデプロイを、シミュレートし確認しながら実施することが可能になります。

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