Zerto In-Cloud for AWSとは [Part 1]


パブリッククラウドの発達

パブリッククラウドの採用は飛躍的に伸びており、それに伴い、従来のバックアップやディザスタリカバリの枠を超えた技術が必要とされています。

パブリッククラウドプロバイダーは、責任共有モデルを通じて、アプリケーションを構成し、ITリソース上で動作するサービスへのアクセスをユーザーに提供します。

これらのサービスは、複数のデータセンターでホストされています。
クラウドアーキテクトは、高可用性を維持し動作するようにアプリケーションを設計することができますが、リソースの集中やコストの増加、また管理/監視が困難であるといった問題に直面することがあります。

リージョンがダウンしたらどうする?


AWSにおけるアベイラビリティゾーン(AZ)は、特定のリージョン内にある複数の物理データセンターのことです。

 

これらのデータセンターは、完全にハードウェア冗長化された広帯域、低レイテンシーのネットワークで相互接続されており、通常、お互い約100km程度の地理的に近いところにあります。冗長化はリージョン内の局所的なデータ保護にはなり得ますが、より広い範囲の災害などからの保護にはなりません。 

AWSのネイティブツールによるリージョン間の保護は難しい場合があります。
例えば、AWS Snapshotsを使用している場合、別途、手動またはスクリプト化されたプロセスを設計し、リージョン間でスナップショットとAmazon Machine Images(AMI)をコピーすることが推奨されています。 これは、障害からの復旧時間が長引くことにつながります。

さらに、保護状態の管理/監視、テスト機能、オーケストレーションなどの課題も発生します。 特に、依存関係を単純にグループ化できない場合や、ディスク間でリカバリーポイントのタイムスタンプに一貫性がない場合に、マルチインスタンスの依存関係があるとしたら、これらを考慮する必要があります。

クラウドの導入とデジタル変革を成功させる鍵は、AWSのようなパブリッククラウドプロバイダー内のデータアプリケーションを、パブリッククラウドプロバイダーネイティブな専用の災害復旧技術を使って監視、管理、保護、復旧できるようにすることです。

Amazon EC2ワークロードにZertoを使用する理由

Zerto In-Cloud for AWSは、AWSプラットフォームに組み込まれたネイティブな保護機能に必要なオーケストレーションを提供するので、EC2ワークロードの保護に理想的なものとなっています。Zerto In-Cloud for AWSはシンプルなインターフェースで管理され、フェイルオーバーテスト、本番フェイルオーバーの開始、リージョンやアベイラビリティゾーンにまたがる数千のEC2インスタンスのリカバリを行うことができます。

Zerto In-Cloudソリューションはアプリケーションを中心としたアプローチを採用しており、ユーザは特定のアプリケーションを構成するすべてのEC2インスタンスを論理的に選択することが可能です。

これにより、インスタンスのグループを単一の論理エンティティとして保護し、災害時にアプリケーションのダウンタイム要件を満たす、またはダウンタイムを大幅に削減するために、それらをまとめてリカバリします。
対象ワークロードを停止させることなく、分離された環境で、フェイルオーバーをテストできるため、リカバリワークフローの確実性を担保し、ステークホルダーに安心を提供することが可能となっています。

全体として、Zerto In-Cloud for AWSは以下を提供することで、AWSにおけるディザスタリカバリの課題を解決します。

  • シンプルな実装、設定、管理
  • 既存のソリューションや自動化ワークフローと連携した、柔軟なディザスタリカバリ管理方法
  • CloudWatchとの連携により、DRの運用とリソースを他のAWSリソースと同時に監視することができます。
  • エージェントやレプリケーションアプライアンスを追加することなく、数千のEC2インスタンスとペタバイト単位のデータを保護するための容易な拡張性
  • 世界中の17の主要なリージョン/ゾーン間の保護を実現し、1対多数のリージョンからのディザスターリカバリーをサポート(同時に最大3つのターゲットまで)
  • Zerto Analyticsにより、単一のユーザインタフェースからZertoで保護されたすべての環境のパフォーマンスと保護を監視できる可視性

Zerto In-Cloud for AWSの管理

Zerto In-Cloud Managerは、Zerto In-Cloudの管理インターフェイスです。
その特徴は、軽量かつ効率的であることが挙げられます。AWSのネイティブサービスを活用することで、サービスの耐障害性を高めている面もあります。

Zerto In-Cloud Managerはどのリージョンにも導入でき、地域的な停電によるワークロード障害への耐性や、リカバリ性の確保が可能となります。

Zerto In-Cloud内のすべてのデータは、AWSの高可用性NoSQLデータベースサービスであるDynamoDBによってバックアップされています。つまり、アプライアンス自体に障害が発生した場合でも、アプライアンスを再展開してデータベースに再接続することができ、データベース自体をバックアップして別のリージョンにレプリケートすることでリカバリのオプションを増やすことができます。

Zerto In-Cloud ManagerはLinuxベースであるため、一般的にWindowsサーバに影響する脆弱性の影響を受けず、ライセンスコストを削減することができます。また、Docker上に構築された柔軟なアーキテクチャを利用しており、Zerto In-Cloud Managerのすべてのコンポーネントがコンテナ化されています。

 

Zerto In-Cloud Managerの主要コンポーネント

  • Keycloakは認証用に導入され、多要素認証のサポートやロールベースのアクセス制御などの機能を備えており、ユーザがソリューションにアクセスする人をきめ細かく制御することができます。
  • Traefikは、クラウドネイティブのアプリケーションプロキシです。主に、リバースプロキシ操作とZerto In-Cloud Manager内のさまざまなコンテナとのネットワーク接続に、そのシンプルさを活かして活用しています。
  • NGINXはWebベースのグラフィカルユーザインターフェースを提供するために使用され、他のZerto製品と同じように、親しみやすく、別のユーザインターフェースを習得する必要がありません。

Zerto In-Cloud for AWSおよびそのコンポーネントのアップデートや新機能追加の際にも、Zerto In-Cloud for AWSを中断する必要はないため、ユーザは常に最新のバージョンを利用することができます。

Zerto In-Cloudは、AWSのために構築された単一の軽量なディザスタリカバリソリューションとして課題に取り組んでいます。Zerto In-Cloud Managerは、EC2インスタンスを論理的にグループ化し、フェイルオーバー(テストおよび本番)させることができる、導入も容易なコンテナ型の管理インターフェイスです。

Part 2では、Zerto In-Cloud for AWSの仕組みについて説明します。

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