【climbクラウド・ナウ】クラウドの未来、ビジネスの未来:2013年10月号


───────────────────────◆ 今月の注目コラム ◆─
[1]クラウドの未来、ビジネスの未来
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ツイッターのハッシュタグ(#記号)を日常の会話にも用いるとどうなるかと
いうコントを、ジャスティン・ティンバーレイクとジミー・キンメルがテレビ
で演じていた。
(http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=57dzaMaouXA)

単なるコメディだが、会話が記号を交えた書き言葉で成立し、
即時の返答が期待される現代の社会状況を風刺してもいる。

このような文化が、クラウド時代の到来を反映している。
すべてのものが身近で、即効性があり、ユビキタスである。
人があらゆる場所でネットアクセスを求め、物事に執着せず、
少しでも良いもの、安いものにすぐに乗り換える傾向と、
心情的に繋がっている。

つまり、クラウドはデータの保管や分配のための代替手段などではなく、
人々の暮らしのメタファーですらある。ビジネスの変化、サービス、
革新は一分一秒を争い、たちまちツイッターでコメントされる時代だ。

一年先が予測できない世界ではあるが、確かなことは、
消費者は常に新しいもの、使いやすいものを求め、企業はコストを抑え、
消費者と繋がれる手段を求める。
すべてのものは、より小さく、より速く、より安く、そして、
より身近に(からだと一体化する程まで身近に)なっていく。
例えば、グーグル・グラスのように。

CloudTweaksコラムThe Future Of Cloud,
And The Future Of Your Companyより
http://bit.ly/H0LF0t

───────────────────────◆ 今月の注目コラム ◆─
[2]アメリカズカップのテクノロジー
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今年の夏はサンフランシスコでアメリカズカップが開催された。
オリンピックより47年、サッカーワールドカップより79年、全英オープンゴル
フよりも9年早く成立したスポーツ史においては最古のスポーツトロフィー、
アメリカズカップを争う国際ヨットレースである。

前回の33回大会でアメリカがカップ奪回に成功して15年振りにアメリカに戻っ
てきたアメリカズカップをアメリカ側Oracle Team USAが防衛できるのか?
挑戦艇3チームから勝ち上がりルイ・ビトン杯を手にし挑戦の権利を得た
Emirate Team New ZealandがカップをNew Zealandに持ち帰ることができるの
か?

セーラーならずともサンフランシスコ市民の関心を集めた。
その結果は1勝8敗と崖っぷちのOracle Team USAが、奇跡的な8連勝をとげ
カップを防衛。
アメリカズカップ史に忘れられない大記録を作り大会は終了した。

その背後には大きなテクノロジーによるヨットの性能向上の戦いが繰り広げら
れている。

ヨットは風だけで帆走するために、ヨットのスピードを上げるには
ボートの長さ、セールの面積をできる限り大きくし、船体の水中の抵抗を減ら
すことが大事だが、ボートの長さ、セール面積はルールで規定されて(開催の
度に各種のルール変更やルール解釈の違いの紆余曲折はあったが)おり変更の
自由度が少ない。

それに比べて船体の形状には自由度があり、流体力学を駆使したボディ形状の
コンピューターシミュレーションで、より速い船体形状をアメリカズカップ参
加チームの間で長く争っていた。

大きな転機は1983年、アメリカが132年間防衛し続けたアメリカズカップがオ
ーストラリアから挑戦したオーストラリアIIにカップが奪われた際。
オーストラリアチームがアメリカズカップ奪回に成功した後、オーストラリア
IIを海上から引き上げて海面下にあった船底を公開した際、ヨット界では大ニ
ュースとなった。

キールと呼ばれる船底からヨット下部に突き出る錘をもつ構造体にいままで誰
も見た事のない羽が付けられていたのだ。
この羽の形状により、風上に帆走する際の帆走性能が著しく向上したオースト
ラリアIIはカップをアメリカから奪うことに成功した。

そしてもう一つの転機は2012年の第33回大会。
それまでのモノハル同士のヨット対決から、帆走性能を追求して行く中でとう
とうマルチハル対決(双胴艇のカタマランと三胴艇のトリマラン)となり、船
体設計の技術競争の要素が強くなっていった。
アメリカ側にカップ奪回をもたらしたBMW Oracle Racing 90は実に風速の2倍
以上の帆走速度で海上を帆走した。

当時最速の帆走性能を引き出すために建造された船体は巨大で、全長27m 、全
高は56m。これは世界最大の豪華客船クイーンエリザベスでもくぐれた
Golden Gate Bridgeの下をくぐれないほどの高さだった。

(余談だが、近いうちにBOR90はオラクル本社キャンパス内にある池に飾られ
るようで現在準備工事中だそうです)

そして第34回大会ではAC72というボックスルールの範囲内で改造が許されたカ
タマランがアメリカズカップで使われることとなった。
開催側の意図としては、船体による差が大きくならない範囲に規定して、セー
ラー同士のスキル争いに勝負の焦点を戻すことだったのかもしれなが、同じ規
定の中で各チームがシュミレーションを重ね、船体の改造をしていくなかで、
ボディから水中に突き出たダガーボードの形状を進化させたNew Zealandチー
ムが72Feetもある相胴艇を海面から浮上させて帆走させることに成功した。
ボディが海上に上がることによる水中から受ける抵抗の軽減は絶大で、カタマ
ランの艇速が飛躍的に向上した。

進化したダガーボードの名称がフォイルと呼ばれていることから、カタマラン
のボディが海上に浮き上がって帆走している姿勢もフォイリングと呼ばれるよ
うになる。

他のカップ挑戦チームも先行したNew Zealandに追いつくために、それぞれの
カタマランのフォイル形状を工夫することにより次々とフォイリングに成功、
結果としてAC72は風速の3倍以上の帆走速度を実現し、ゴールデンゲートブリ
ッジ上の自動車の制限速度時速45ノット以上で海上のレースコースを走り回る
ようになった。

フォイリングに最初に成功したNewZealandチームの船体性能の優位は絶大でア
メリカズカップの挑戦艇を決めるルイ・ビトンカップ決勝では8レースのうち
7勝(一敗は船体トラブルによるリタイア)を上げてアメリカズカップ本戦へ
と進んだ。

そして開幕した本戦では、やはりNew Zealandチームが圧倒的な優位でシリー
ズの前半をこなした。
スタートで多少の遅れがあっても、レースが進む間にあっという間にOracleチ
ームに追いつき、そこからどんどん差をつけてしまうレース展開で、アメリカ
ズカップ奪回に王手をかける8勝をあげてしまった。
シリーズポイントで8対1に追いつめられていたOracleチームだが、シリーズ
後半になると船体が毎レースごとに改造されて艇速がレースごとに速くなって
いった。
フォイルと呼ばれるダガーボードや水中でヨットの進む方向を決めるラダー、
そしてラダーにつけられたわずか幅20cm、長さ50cm程度の構造体のエレベータ
ーらの形状をmm単位でレース毎に集められた数々のデータ(風速、風向、艇速
、海流、他)をもとに改造していった結果が8連勝の大逆転、アメリカズカッ
プの防衛へと繋がった。

───────────────── ◆今月のシリコンバレーニュース ◆─
[3]クラウド・コンピューティング
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■ AWS,CIAのクラウドインフラ入札で勝利 [10/7]

年初にAWSは,CIAとの$6億に及ぶ巨額な契約を獲得した。ところが,
IBMが入札過程に異議を唱えて,GAO(General Accounting Office:
会計検査院)に契約の精査を求めた。

GAOは,AWSが入札基準を一部満たしていないとCIAに報告したことで,
AWSの契約は保留となっていた。

これに対して去る7月にAWSは,連邦裁判所に上訴した。そしてこの度,
連邦裁判所の判決によって,合法的に契約を勝ち取った。しかし,
IBMは上訴する構えを見せている。

【JUSTコメント】
IBMは,昔から連邦政府の御用達。しかし,オバマ大統領の肝いりで,
各省庁ではITのクラウド化を進めている。
クラウド・サービスで世界最先端を走っているのは,いうまでも無く
AWS。CIAが,AWSを選んだ理由は,CIAが求める要件をIBMは満たす
ことができなかったからであろう。
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■ Amazon,オンライン決済サービスを提供 [10/8]

同社は,Login and Pay with Amazonという決済サービスを発表した。
このパートナとなったWebサイトは,Pay with Amazonのボタンをクリック
することでAmazonの仕組みにより,簡単に決済できる。PayPalなどと
同様な機能である。

同社は,しばらく前から特定のサイトで決済サービスを提供していた。
また,最近はユーザ認証にAmazonのIDを使うLogin with Amazonサービスも
開始したところであり,今回のサービスは両者を組み合わせたものである。

このサービスの利用料は,手数料2.9%と,取引あたり$0.3である。
なお,Amazonは既に2億1500万以上の顧客アカウントを持つ。
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■ IBM,SoftLayerとの統合環境を提供 [10/9]

IBMは,今年7月に$20億でクラウドデータセンタのSoftLayerを買収
した。SoftLayerとIBM SmartCloudの統合の手始めとしてソーシャル
ラーニング分野のサービスを始めることを発表した。

統合されたクラウドベースの国際的な教育技術プラットフォームは,
既にボストンの子供病院でハイブリッドクラウド環境で利用されている。
現在,小売,エネルギーとユーティリティ,政府,医療,自動車などの
産業別に商業化を進めており,12月には提供可能にする計画である。

なお,SoftLayerは,世界140ヶ国に21,000の顧客を持っていたが,
買収以降,新規に1,600の顧客を獲得している。

             提供元:Silicon Valley News Just Skill, Inc.

──────────────────◆ 今月のワンポイント英語単語 ◆─
[4]もっと英語の力を身につけたい人のために「今月のVocabulary Focus!」
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今回は英語ではない英語の単語(スペイン語だから)をみてみよう。
メキシカン、またはテックスメックス(テキサススタイルのメキシカン)
は、アメリカ人に広く知られている料理である。アメリカ各地で、
メキシコ料理は最も一般的に外食する料理なのだ。たぶん多くの
アメリカ人は何がタコスで何がトスターダか、またはどれがエンチラーダ
でブリトーか、またはファヒータかと、見分けることができるだろう。
しかしそれらの言葉以外にも、英語ではスペイン語から持ってきた
単語を使用している。何故なら、北アメリカとラテン・アメリカの文の
間には、長い間に渡る交流があるからだ。ここで紹介するのは、
アメリカのお隣りさん、ラテンから借りてきた言葉である:

savvy:<理解、常識、知識ある、よく知っている>
vamoose:<あっち行け、ずらかろう>
cargo:<船荷、積荷>
guerilla:<ゲリラ>
patio:<パティオ>

────────────────────◆ クライム通信・ユーザ会 ◆─
[5]3Cユーザ会発足のお知らせ~プレゼントキャンペーン実施中~
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クライムは2014年に創業30周年を迎え、最先端の海外製パッケージソフトウェ
アの発掘・販売を開始してから13年になります。
創業30周年を記念して、クライムの製品をご利用いただいている企業の皆様ま
たはご利用を検討している企業の皆様の情報交換の場とし、またクラウド関連
及び最先端技術の研鑚を図ることを目的としたユーザ会を設立しました。

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────────────────────◆ クライム通信・イベント ◆─
[7]11/6(水)~7(木) 「vForum 2013」に出展
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クライムは下記の通り、VMwareイベント『vForum 2013』に出展します。

『vForum 2013 ビジネスを変える、働き方を変える、常識を超える。 』
◆会 期:2013年11月6日(水)、11月7日(木)
◆会 場:ザ・プリンスパークタワー東京
◆参加費:無料(事前登録制)
◆主 催:ヴイエムウェア株式会社
◆構 成:ゼネラルセッション、ブレイクアウトセッション、
     ランチョンセッション、ハンズオンラボ、
     Solutions Showcase (展示、テクノロジーシアター)
◆対 象:ITユーザ企業および官公庁/団体における役員クラスの方、
     情報システム関連部門のマネージャ、IT担当者、システム開発者

●ブース展示:Solutions Showcase【ブース番号:S-28】
「ミッションクリティカルな業務にも仮想マシンが使われる現代。
 データ保護、災害対策は万全ですか?」

仮想環境がもはや一般的なものとなった今、前時代のバックアップシステムで
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