高耐性・高可用性の共有ストレージとしてStarWind VSANを活用する方法


インフラストラクチャを管理するエンジニアには、慣れ親しんだ技術に固執し、従来型の共有ストレージのみを使い続けている人が少なくありません。ハイパーコンバージド インフラストラクチャ(HCI)なんて言葉を聞いただけで、ぞっとしてしまう人もいるでしょう。技術的に最先端ではなく、単なる“昔ながら”の共有ストレージにネットワーク スイッチでESXiホストをつなぐやり方に依存するのが、特に中小企業や小規模ITベンダーによくある環境です。だからこそ、StarWind VSAN As a Resilient and Highly Available Shared Storage(高耐性・高可用性の共有ストレージとしてのStarWind VSAN)には特別な意味があり、高い導入実績につながっています。

慣れ親しんだやり方を継続するのは、悪いことではありません。実際、最新のデータによれば、HCI市場が発展しているとは言え、IT環境に真の変革をもたらすには予想以上に時間がかかるようです。信頼性があり、低コストで耐久性に優れたソリューションが共有ストレージとして活躍し続けるのには、それ相当の理由があるのです。

ストレージ ハードウェアのベンダーが提供するハードウェアに特化したソリューションは、それが適正な価格でも、往々にして中小企業や小口顧客の予算を上回っています。StarWindとその高可用性(HA)ストレージ ソリューションは、そのような顧客のためにあります。

知らない方のためにいちおう説明すると、StarWindはソフトウェア ストレージ ソリューションのプロバイダです。VMware、Hyper-V(まもなくKVM)に個別に対応することができます。

StarWind Virtual SANは以下の環境で使用できます。

  • クライアントが稼働する同じ物理ホストに実装されたStarWindのハイパーコンバージド アーキテクチャ
  • StarWind Virtual SANが専用の物理ハードウェアで稼働するコンピュートとストレージが相互に隔離されたアーキテクチャ(本稿ではこの環境について解説します)

StarWind VSAN As a Resilient and HA Shared Storage(高耐性・高可用性の共有ストレージとしてのStarWind VSAN)

StarWind VSANは2台、あるいはそれ以上の物理ハードウェアにインストールして、ストレージ レイヤーの高可用性(HA)を実現することができます。これら2つのサーバー間では継続的にレプリケーションが行われます。1台のサーバーがダウンしても、もう1台を通じて共有ストレージがそのまま利用でき、ホストが再起動すれば、ミラーサーバーが自動的に同期化されます。

ストレージは各サーバーのローカル ディスクのリソースによって構成されます(ハードウェアRAIDが必要になります)。StarWindコンソールを通じて、HAデバイスを作ります。

クラスタに設定されたESXiホストからは、特に違いを認めることはありません。共有ストレージは常に利用可能で、仮想マシン(VM)が稼働し続け、アプリケーションも変わりなく動作し続けます。ユーザーが作業の中断を余儀なくされたり、接続が途切れるようなことはありません。

StarWind VSANは以下の仮想プラットフォームに対して使用できます。

  • Microsoft Hyper-V上のVM用の共有ストレージ(iSCSIまたはSMB3で実装)
  • VMware vSphere ESXi上のVMまたは無償版ESXi上のVM用の共有ストレージ(iSCSI)
  • Citrix XenServerまたはその他のXen/KMM上のVM用の共有ストレージ(iSCSIまたはNFS)

ストレージをコンピュート リソースから切り離すことの利点としては、(たとえば、CPUパワーやRAMが十分ではない場合に)ストレージに触らずにコンピュート クラスタにホストを追加できることも挙げられます。

2ノードで共有するストレージは他のソリューションに比べ、さらに優れている点があります。それは、スイッチが要らず、10GbEも不要で、フラッシュが必須ではない点です。クォーラム(quorumまたはvoting)も気にする必要がありません。

:10Gb対応のNICでケーブル直接接続による同期化も可能であり、StarWindにサポートされた方式です。

専用サーバー2台とそのWindowsライセンスを使用するよりも、StarWind Linux VSAのデプロイメントが可能な環境ではESXiの無償版が使用できます。

更新事項:追加情報ですが、上の構成はストレージとネットワークがパススルー方式(MDADMまたはZFSとパススルー ディスク)なため、基本的にWindows上で実現するのと同じ処理速度が得られます(Linuxのほうが若干速いかもしれません)。VMとしてLinux版を用いると中間にストレージやネットワークのレイヤーがなくなります。つまり、Windowsのライセンスを2ホスト分節約できてお釣りが来るということが言えます。

VMwareソリューションと密に連携

VMwareソリューションとの連携に関する詳細はStarWind at VMware Solution Exchangeを参照してください。

StarWind拡張機能

PowerShellの使い方に通じていれば、StarWindではPowerShell cmdletsがコンフィギュレーションや管理に活用できて大変便利です。

また、ほとんど制限がなく、NVMe-oF(NVMe over Fabrics)も使用できます。StarWindがNVMe-oFプロトコルに対応することにより、Hyper-V環境でPCIe接続のSSDを最大限に活用できます。

また、iSCSIとともにiSER(RDMA用のiSCSI拡張規格)も使用可能です。StarWind iSERは、iSCSIを補強するために設計されたプロトコルで、ブロック ストレージ トランスファーの帯域幅を向上させ、ネットワークのボトルネックとレテンシの問題を解決します。

まとめ

ハイパーコンバージド インフラストラクチャにそこまでこだわりがなく、ハードウェアによるSANのコストを節約したいのであれば、ぜひStarWindを検討すべきです。詳細は: https://www.climb.co.jp/soft/starwind/

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