Google Workspaceで退職者や異動者のアカウントを削除すると、そのアカウントに紐づくデータ(Gmail、Google ドライブ、カレンダーなど)も同時に完全に削除されてしまいます。
そのため、アカウントを削除する前に、ビジネスの継続性やコンプライアンス要件に合わせた適切なデータ移行・保管を行う必要があります。主な方法は以下の4つです。
1. 後任者や管理者へデータを移行する(最もシンプル)
業務に必要なデータを、そのまま組織内に残す方法です。管理コンソールから簡単に操作できます。
- Google ドライブのデータ:管理コンソールから「ユーザーの削除」を行うプロセスの中で、ファイルの所有権を他のユーザー(後任者や管理者など)に譲渡することができます。または、事前に「共有ドライブ」に移動させておけば、個人のアカウントが削除されてもファイルは消えません。
- Gmailのデータ:Google Workspaceの「データ移行サービス」を使って、退職者のメールを別のユーザー(後任者など)のアカウントにコピーします。または、メールのルーティング設定を行い、宛先のアドレス宛の新規メールを後任者に転送することも重要です。
- カレンダー・Google サイトなど:削除前に、重要なカレンダーやサイトの所有権を他のユーザーに譲渡しておきます。
2. 「アーカイブドユーザー(Archived User)」ライセンスを活用する
アカウントを削除するのではなく、「アーカイブド ユーザー(AU)」という状態に変更する方法です。(※利用するエディションでは利用不可)
- メリット: ユーザーはログインできなくなりますが、GmailやGoogle ドライブのデータは維持され、Google Vaultを通じて監査や法務目的でデータの検索・エクスポートが可能です。
- コスト: 通常のアクティブなライセンスよりも安価(エディションにより価格は異なります)でデータを長期保管できます。
3. ローカルや外部ストレージにエクスポートする(Google Takeout)
データをGoogle Workspace外(社内のファイルサーバーや別クラウドなど)に保存しておきたい場合の方法です。
- ユーザ単位でのエクスポート: 対象のアカウントにログイン(またはパスワードをリセットして管理者がログイン)し、「Google データエクスポート(Google Takeout)」 を使用します。Gmail(MBOX形式)やドライブのファイル一式をZIP形式でダウンロードできます。
- Google Vaultからのエクスポート: Google Vaultのライセンスがある場合、管理者がVaultから対象者のメールやドライブのデータを抽出・ダウンロードしてからアカウントを削除します。
4. Climb Cloud Backup for Google Workspaceのようなサードパーティ製のバックアップツールを利用する
Climb Cloud Backup for Google Workspaceのようなクラウドバックアップサービスを利用している場合、退職者のアカウントをバックアップ側に永続的に保持させた後、Google Workspace側のアカウントを削除します。
⚠️ 注意点:間違って削除してしまった場合
Google Workspaceでは、ユーザアカウントを削除してしまった場合でも、削除から「20日以内」であればアカウントとデータを復元することが可能です。20日を過ぎるとシステムから完全に消去され、いかなる方法でも復元できなくなるためご注意ください。

