ファイルサーバ/NASのバックアップ
Veeam Backup & Replicationでは、ファイルサーバ(Windows or Linux)や、NAS(SMB(CIFS)またはNFSプロトコルでアクセス可能なストレージ)のファイルやフォルダのバックアップが可能です。また、Veeamでは他にも物理マシンや仮想マシンの保護も実施できるため、ファイルサーバやNASバックアップも含め、バックアップを一元的に管理することも可能です
取得したバックアップデータを利用することで、NASやファイルサーバのデータを丸々リストアしたり、特定のファイルやフォルダのみを指定してリストアすることも可能です。
高速なバックアップ
変更データの迅速な特定
VeeamのNASバックアップでは、データのバックアップに加え、CRC値をキャッシュリポジトリに対して保存します。これにより、変更データを特定する際にCRC値を比較し、その値が更新されたファイル/フォルダのみを迅速に検出できるため、大量のファイルが存在するファイルサーバであっても高速に増分バックアップを行うことが可能です。
変更データ特定の仕組みについては、こちらをご参照ください。
ファイルプロキシによるバックアップ処理の負荷分散
Veeamでは、NASバックアップ処理用のサーバとしてファイルプロキシを複数台構成することが可能です。これにより大規模環境でNASバックアップを実施する場合でも、複数のファイルプロキシで処理を行うことで各プロキシサーバにかかる負荷を低減することや、並列処理により効率的なバックアップを実施することが可能です。
ストレージスナップショットを利用したデータ保護
NetApp Data ONTAP、Lenovo ThinkSystem DM Series、Dell EMC IsilonといったNASデバイスでは、これらのストレージシステムと統合し、ストレージスナップショットを使ったデータ保護を行うことが可能です。データの読み取りをNAS共有からではなくストレージスナップショットから行うため、ユーザ側でロックしているファイルであっても保護することが可能です
別ストレージへバックアップデータをコピー
Veeamで取得したNASバックアップファイルを別のストレージに対してコピーしておくことが可能です。DRサイト側にあるストレージに対してバックアップファイルをコピーしておくことで、万が一、プライマリサイト側にあるバックアップデータが使えなくなった場合でも、DRサイト側に保持しておいたバックアップデータから復旧することが可能です。
長期保存用途でのアーカイブ
NASのバックアップデータをより長期的に保持する際に、指定した期間を過ぎたら別のストレージやクラウドに対して古いデータをアーカイブしておくことが可能です。また、アーカイブする際に、データをすべて送るだけでなく、特定のファイルのみをアーカイブ先へ送ることも可能です。これにより、古いデータが必要になった際でも、アーカイブ先からリストアすることができます。
NASバックアップのリストア手法
特定のフォルダやファイルのリストア
Veeamで取得したファイルサーバやNASのバックアップからリストアする際に、データを丸々リストアせずとも、特定のファイルやフォルダのみを指定してリストアすることが可能なため、一部ファイルのみをリストアしたい場合に有効です。
また、リストア先もバックアップ元のファイル共有に限らず、別のファイル共有に対してリストアを行うことが可能です。
指定時刻へのロールバック
Veeamではファイル共有上のファイルやフォルダを任意のバックアップした時点へ戻すことが可能です。こちらを利用することで、万が一元のファイル共有がランサムウェア攻撃を受けてしまった場合でも、バックアップデータを利用してファイルを被害直前の状態にまで迅速にロールバックをすることが可能です。
インスタントファイル共有リカバリ
インスタントファイル共有リカバリは、NASバックアップデータを読み取り専用のファイル共有としてデータを直接参照することにより、数分でファイルを参照することができる機能で、SMBファイル共有であればベンダー問わず利用可能です。
バックアップ元のファイルサーバやNASがダウンタイム中でもすぐファイルを参照したい場合に有効です。
システム要件
Veeamでは、以下のファイルサーバ/NASのバックアップをサポートしています。
サポートされるファイルサーバ(64bit版のみ)
-
Microsoft Windows
- Microsoft Windows Server 半期チャネル (1803~20H2)
- Microsoft Windows Server 2022
- Microsoft Windows Server 2019
- Microsoft Windows Server 2016
- Microsoft Windows Server 2012 R2
- Microsoft Windows Server 2012
- Microsoft Windows Server 2008 R2 SP1
- Microsoft Windows 11 (21H2)
- Microsoft Windows 10 (1803 ~21H1, 21H2)
- Microsoft Windows 8.1
- Microsoft Windows 7 SP1 Linux
- CentOS (7~8.52)
- CentOS Stream
- Debian (9.0~11.0)
- Fedora (30~35)
- openSUSE (Leap 15.2~15.31, Tumbleweed)
- Oracle Linux 6 (UEK3) ~ Oracle Linux 8.3 (UEK R6 U2)
- Oracle Linux 6 ~Oracle Linux 8.5 (RHCK)
- RHEL (6.0~8.5)
- SLES 11 SP4~15 SP3
- Ubuntu 14.04 LTS, 16.04 LTS, 18.04 LTS, 19.10, 20.04 LTS, 21.04, 21.10
サポートされるNAS
- SMBファイル共有(バージョン1.x, 2.x, 3.x対応)
- NFSファイル共有(プロトコルバージョン 3, 4.1対応)