Starwind Virtual SANとHyper-Vの連携について

StarWind Virtual SAN (VSAN) は、Microsoft Hyper-V 環境と連携し、ハイパーコンバージドインフラストラクチャ (HCI) の実現を可能にするソフトウェア定義ストレージ (SDS) ソリューションです。

これは、従来の共有ストレージ(SAN/NAS)を使用せずに、Hyper-Vホストサーバーの内蔵ストレージを論理的にプールし、高可用性(HA)と共有ストレージ機能を提供します。

 


StarWind Virtual SANとHyper-V連携の概要

 

StarWind VSANは、Hyper-Vクラスターに必要な共有ストレージを、サーバーローカルディスクを使って提供します。

  1. 内蔵ディスクのミラーリング: 複数のHyper-Vホストのローカルストレージ間でデータを同期的にミラーリングし、仮想的な共有ストレージを作成します。
  2. iSCSI/SMBの利用: この仮想的な共有ストレージを、iSCSIまたはSMB経由でHyper-Vクラスターに提示します。Hyper-Vクラスターは、これをクラスター共有ボリューム (CSV) として認識し、クラスター内のすべてのVMがアクセスできるようになります。
  3. 高可用性: データのリアルタイムなミラーリングにより、いずれかのホストやディスクに障害が発生しても、仮想マシン (VM) は別のホスト上で継続して動作できる耐障害性を実現します。これにより、Hyper-Vフェールオーバークラスターの構築が可能になります。

 

主な特徴とメリット

特徴 説明 メリット
共有ストレージの不要化 高価な専用のSAN/NAS装置が不要。 CAPEX/OPEXの削減と、導入・運用管理の簡素化。
ハイパーコンバージドの実現 仮想マシン (VM) とストレージを同じサーバーで実行。 フットプリントの削減と、効率的なリソース利用。
高可用性 (HA) 2ノードまたは3ノード構成での同期ミラーリング 99.9999% の高い可用性と、データ損失からの保護。
標準ハードウェアの活用 既存または安価な汎用 (コモディティ) ハードウェアを利用可能。 特定ベンダーに縛られないベンダーロックインの回避と柔軟な拡張性。
パフォーマンス向上 ローカルディスク、特にSSDやNVMeの性能を活かし、データ読み書きを高速化。 仮想環境のI/O性能の向上

連携のステップ(概要)

 

Hyper-V環境にStarWind VSANを導入し、クラスターを構築する基本的な手順は以下の通りです。

  1. StarWind VSANのインストール: Hyper-Vホストとなるサーバー(通常2台以上)にStarWind VSANソフトウェアをインストールします。
  2. 高可用性ストレージの作成: StarWind管理コンソールを使用して、各サーバーの内蔵ディスクを元に、同期ミラーリングされた高可用性 (HA) デバイス(仮想共有ストレージ)を作成します。
  3. iSCSI/SMBターゲットの提示: 作成したHAデバイスを、iSCSIまたはSMBターゲットとしてHyper-Vホストに提示します。
  4. Hyper-Vフェールオーバークラスターの構築: Windows Serverのフェールオーバークラスターマネージャーを使用し、Hyper-Vクラスターを構築します。
  5. クラスター共有ボリューム (CSV) の設定: iSCSI/SMB経由で接続された共有ストレージをCSVとして構成し、VMの保存先として利用可能にします。
  6. 仮想マシンのデプロイ: CSV上にVMをデプロイし、HA環境下で運用を開始します。

この連携により、最小構成の2ノードでも、VMのライブマイグレーションやホスト障害からの自動復旧が可能な、コスト効率の高いHyper-Vクラスターを構築できます。

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